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2008年05月16日(金)更新
拾得物件
仕事でも私事でも、緊張と緩和のバランスが大事だといつも力説する。
実際には、ズッコケル場面が人より多いことを “緩和” の名のもとに、
何事にもリラックス・ユーモア・息抜きも必要だと言い訳する側面は否めない。
ええ大人のクセにイチビリでもある。
昨日、今出展している百貨店正面玄関前のタクシー乗り場で、
財布(実際には厚みのある定期入れだった)を拾った。
休憩交代の時間が迫っていたので、何の悪気も無くポケットに入れたまま
売り場に戻り、約1時間半後の休憩で駅前の交番へ拾得物として届け出た。
期限の残った定期券と、ICOKA定期と、何枚かの会員カード類と、社員証。
ただし現金は1円も入っていなかった。
落とされたのは若い女性のようだ。
お困りだろうと拾得状況だけシュッと説明して、規則上住所氏名は告げたが
お巡りさんから説明された何割かの請求権や所有権は当然全て放棄した。
それでも一応は規則なのだろう、若いお巡りさんは下手な字で
“拾得物件預かり書” なるものを発行して、その写しを私に手渡した。

『 全部放棄しますから、こんな書類要らんですよ・・・ 』
そういうと
『 ご住所もお名前も書いたありますから、
要らない場合は必ず破って捨ててくださいね 』
そういわれて 『 そうでっか! 』 と “ちょっといい人気分” で交番を出た。
戻った売り場は、極端に暇な時間帯だった。
そんな時イチビリの私が、このすぐ捨てる予定の
“拾得物件預かり書” で、ひと遊びしない理由を探すのは難しい。
現金が無かったのだから当然空欄の “拾得物件現金” の欄に
胸ポケットからボールペンを取り出して、
何の根拠も無く ¥2,438,000.- と、のけぞるような金額を書き込んだ。
どうせすぐ捨てる紙片である・・有印公文書偽造行使の罪にも問われないだろう。
帰宅して、娘か家内に 『 大金拾た・・・ 』 とボケをかましてやろうかと
あさはかにも考えたのだが、考え直した。
本当に¥2,438,000 拾得したと思われると、どうにも話がややこしくなる。
( しょーもないことやめて、すぐ破って捨てよ~っと・・・ )
そこへ、この日売り場担当を私と二人で務めた営業部S課長が休憩から戻った。
その瞬間、萎えていた私のイチビリの芽が、青々と復活した。
『 ほら、コレ見てみィ・・・
さっき拾た言うてたあの財布なぁ、
(・・と、落書きした拾得物件預かり書をチラッと見せる)
えらい分厚い思て交番届けたら、243万8000円も入っとってん・・・
落とし主が出てきても2割までは請求する権利あるらしいし、
出てけーへんかったら、今は3ヶ月で全額貰えるらしいわぁ。 』
【劇団そとばこまち】 に憧れた私に、これ位の演技はお手のものだ。
S課長が、イトミミズみたいに細い目を思いっきり見開いてのけぞるのも当然だ。
『 嘘!嘘!
俺が勝手に金額書き込んでん・・・ 』
あまり引っ張りすぎても、センスある展開になる場面でもないと判断した私は
実に呆気なく白状してビリビリに破棄した。
『 社長~~! ホンマにびっくりしますやん・・・
“即、飲みに連れっとおくなはれ!” 言う準備してましたのにィ! 』
落とされた方は慌ててはるやろに・・・
ええ大人が、束の間の息抜きとはいえ
こんな低次元レベルの遊びで、歯茎ムキ出して笑ろとる場合やない!
・・・と反省しながら、
『 イラッシャイマセ~っ! 』
懐かしいスネークマンショーみたいに、
喉を絞った鼻に抜けるやや慇懃な声で
シャーシャーと接客に戻った。
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成功の反対は決して失敗とは限らない
学びの経験として必ず後に生きる
勇敢にチャレンジする事が大切なのだ
そして成功か、学びの経験を着実に得ようではないか!
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